シュタイナー幼児教育はじめの、はじめの一歩

敷居の高いシュタイナー幼児教育について、初心者が簡単にはじめられるやり方を書いています。

お部屋から音をなくそう

今日はおうちの中の音について。

大人になると、テレビやラジオ、音楽をかけっぱなしってことがよくあると思います。私もBGMを流しておくとカフェみたいでおしゃれだし、ウキウキするのでよくかけていました。

しかし小さい子にとってはそうじゃないんです。

小さい子はこの世に生まれてきて、ほんの数か月、ほんの数年です。周りのすべてが、刺激であふれています。大人にとっては当たり前の日常も、小さい子にとっては嵐のような怒涛のインプットの毎日

海外旅行に行った時のことを想像してみてください。空気、におい、風景、人々、きこえてくる言語、音、飛んでいる鳥、植物の種類、なにもかもが違い、新しく、目や耳から入ってきますよね。

小さい子にとってお腹の外の世界はそんな風に感じています。

そこに、テレビやラジオ、音楽が入ってきて、鳴り続けたらどうでしょう。刺激がありすぎて、疲れてしまいます。そうなるとストレスになって、夜泣きしたり機嫌が悪くなってしまいます。

 

ここでも、小さい子を刺激の渦から守る優しい覆いをイメージしてみてください。

安心できるおうちのなか、お鍋のコトコトという音がきこえてきて、いい匂いがしてくる。お母さんの声の優しい呼びかけや鼻歌が聞こえてくる。ピンポンが鳴った、だれだだろう?知らない人の声がする・・何かの鳴き声がきこえる、あれはなんだろう?・・

 

実体験をともなった音はよい刺激となり、想像力を育みます。

一方的で実体験のない刺激より、ずっといいと思いませんか?

 

また、言葉の発達という点からも、無音が望ましいとされています。言語を習得する時期に、お母さんや周囲の人たちの話す音以外の音が鳴っていると、習得に支障が出ることがわかっています。(参考:「語りかけ」育児)

 

カーテンの理想は草木染のピンク。でも、親の好みでもOK

まずはお部屋のインテリアから。赤ちゃんをお迎えして、家の中が大人目線になっていることに気づき、あわててこども仕様へと変更していくことと思います。その際のお部屋づくりのポイントについてお話します。

 

シュタイナー教育の大前提は、『7歳までは夢の中』。情報が飛び交い、騒音がうるさい現実世界から、赤ちゃんをやさしい覆いで囲って、守るイメージをしてみてください。優しいパステルカラーやピンクの覆いです。

 

シュタイナー幼稚園のカーテンがピンクなのは有名ですよね。あれは、お腹のなかにいた一番安心できる空間を生まれてからも用意してあげているのです。私が見学した京田辺シュタイナー学校は学年ごとに色が違ってきますが、どれも綿や麻の天然素材です。コットンの生地を用意し、先生方が草木染で染めたものをクリップでとめてカーテンがわりにしたりしています。

さすがに染めるのはハードルが高いので、市販品でOK。普通のカーテン屋さんだと、綿や麻の天然素材は高価なので、手芸屋さんで生地を買ってきて吊るしてもいいし、大変だなと思ったら、ポリエステルなどの化繊でも大丈夫です。

理想は天然素材のピンクですが、絶対にこうしなければいけないというものではありません。自分が用意できる範囲の「近いもの」くらいでOKです。ムリしないのも大切なことです^^

うちではこどもが小さいときは、無印にコットンのうすピンクのカーテンがあったのでつけていました。男の子だけどピンクでいいのかなと思いつつ、つけてみると、思ったより癒し空間になって驚きました。優しくて、こちらの気持ちも和みます。

 

とはいえ、自分や家族に、こういうインテリアが好き!というものがあれば、無理に変えなくて大丈夫です。原色のギラギラや、キャラクターものだらけ・・・などは、『7歳までは夢の中』を守るため、ちょっと控えめにした方がいいかなと個人的には思いますが、普通のインテリアで気に入って集めてきた家具があるのであれば、そのままで大丈夫。こどもは天上で親を選んで生まれてきます。だから、親を見ながらこんなお部屋に住みたいな~と思って生まれてくるので、ムリに変える必要はありませんよ。

なぜシュタイナー教育の入門編をお伝えするのか

こんにちは。このブログでは、敷居の高いシュタイナー教育の始め方について書いていきます。シュタイナー教育とはオルタナティブ教育のひとつで、ほかに

 

主なオルタナティブ教育

・レッジョ・エミリア

モンテッソーリ教育

・サドベリー教育

・イエナプラン教育

・フレネ教育

などがあります。

 

 

私が知ったきっかけ

出産前は農業に関する仕事をしていたので、そこで勉強のためにと読んだ「バイオダイナミック農法」という、天体の動きと作物の成長を連動させると豊作になるというような本でした。深い内容のため理解するのはむずかしいですが、なんとなくスゴイこと言ってる!と感じ、農業だけでなくあらゆるジャンルにおいて独自の哲学を持ち、実務レベルに昇華していることに感動しました。

それで出産後、たくさんの教育本を読んだ中で、やっぱりシュタイナー教育やってみたい!と思い始めました。

 

今の時点で長男が7歳なので、7年間やってきたのですが、感じたことは、敷居が高いことでした。

シュタイナー教育の敷居が高いワケ

・高額

・近所にない

・メソッドが公開されていないため取り入れにくい

・写真撮影禁止

・だいたいの感覚をつかむまでに3年以上かかる

 

興味を持って体験できる場を探す方は多いと思うのですが、そもそも体験できる施設が少なく、他県などかなり遠方から通ってこられる方も多いです。

そして値段が高い!私が通っていたところは週1回で3000円、1か月で12000円、さらに年会費や施設維持費、イベントのときにはいろんな体験や手作りおやつ、羊毛人形などのグッズ販売などにそれぞれかかります。

1年くらいたって、ご主人のお仕事や財政状況をなんとなく皆さんの話題からわかるようになると、旦那さんが開業医、社長さん、共働き、ママさんが資格持ちでお仕事をされている、などなど、比較的裕福な方たちばかりだったのです。

またシュタイナー幼稚園は数がとても少なく、東京・神奈川などに14件あるものの、関西には京都府田辺市のたった一件しかありません。

fujino.city

週1などで体験できるところはもう少しありますが、とにかく少ないです。

そして内容について、専門的な勉強をした先生方はたぶん「秘儀」という考え方を持っていて、簡単に取り入れるものではなく、少しずつ体験する中で自分の中に落とし込んでいくもの、というスタンスです。なので簡単に教えてくれません(笑)

そして基本的に写真撮影が禁止なので、外部にSNSなどで情報配信することが難しいです。なぜ禁止かというと、シュタイナー教育には「7歳までは夢の中」という大テーマがあり、現実世界にめざめさせることは幼児にはよくないからなのです。たしかにパシャッと自分が撮られていることに気づくと、こどもは夢中になっていた遊びを中断してしまいますよね。ポーズをとったり笑顔をつくったりして、夢から醒めてしまいます。

 

でも、でもね、私たち時間がなくないですか?

こどもはあっという間に大きくなるのに、3年とか時間かけて失敗して学ぶ時間あります?

なるべく幼い早い段階から取り入れられることは取り入れたくないですか?

買い物とかいらないもの買ってたことに後から気づくのもったいないし。

最初から知っときたかった!って情報が、通っているとぽろぽろぽろぽろ出てくるんですよ。

だから、先生方からは怒られそうですが(笑)、7年かけて学んだ入門編を、忙しくて近くに施設がないママたちにお伝えしたいとも思ったんです。

 

このブログはこんな人向け

なので、このブログはこどもがうまれてシュタイナー教育に興味を持ったけど、なにから始めていいかわかんない!近くに学べる施設がない、あっても高い、忙しくて通えない、なるべく失敗せずに手っ取り早くエッセンスをつかみたい、そんな方にオススメです。はじめに形から入って、じょじょに自分の中に落とし込むという逆の順番でいいと私は思います^^

 

私はシュタイナー教育の教師過程を修了したわけでもないし、海外の本場で研修したわけでもありませんが、シュタイナー教育に関する本なら10冊以上、教育に関する本なら数えられないほど読み、京田辺シュタイナー学校が開催している有料セミナーを現在進行形で1年以上受講するなどして日々勉強しています。

またこどもが小さいときから隔月で幼児教室に通い、引っ越して近くになってからは週1で1年以上通い、専門的な知識のある先生方からさまざまな体験をし学んできました。なのでまあまあ詳しいと言ってもいいんじゃないかなと思っています。